【緊急レポート】残り3カ月で100万台規模の旧規則機撤去

ユーコーリプロ 金海基浩常務取締役

「旧規則機の撤去は、特にパチスロで来年1月末の最終期限に撤去が集中することが避けられない情勢が見えてきました。懸念されるのは『適正処理』業者として選定を受けていない処理業者への流出です。撤去の集中によって非選定業者に流れたとき、果たしてそのすべてがきちんと処理されるかどうかの不安が高まっています」。

そう話すのは、遊技機の適正処理を担保する日工組広域回収システムの指定業者の1社、ユーコーリプロの金海基浩常務取締役だ。

先に業界団体が明らかにした新規則機の設置割合によると、10月末時点の新規則機の設置比率はパチンコ82.1%、パチスロ62.6%。合算の設置比率は74.4%で、業界13団体で構成する21世紀会が設定した10月末の目標値である85%と比べて10%以上も低い結果となった。逆算した旧規則機の推定残存台数はパチンコ42.3万台、パチスロ57万台、合算で99.3万台に上っている。この100万台規模の旧規則機を来年1月末までの残り3カ月で入れ替えるには、パチンコは月平均で約14万台、パチスロに至っては月19万台の計算だ。

現在の市場状況や今後の新台リリース状況からみると、パチンコはなんとかこれをクリアできる見通しだが、パチスロは物理的に不可能との観測が根強い。それでも法令で定められた措置である以上、最終の期限までにホール側は、パチスロの減台やベニヤ対応なども含め、なんらかのかたちで撤去を完了させなければならない。

 

 最終期限後の排出集中で「適正処理」から外れる可能性

最終の撤去期限までに店舗のパチスロコーナーをどう手当するかは、今のホールの現場における最大の悩みどころになっているが、一方で業界全体として大きな課題になっているのが排出遊技機の適正処理だ。適正処理が求められる旧規則機は市場に設置されている約100万台だけではない。全日遊連が行った遊技機保管状況調査によると、ホールの自社倉庫や販売商社、運送業者などに保管されている「5月末時点で検定・認定切れの旧規則機」がパチンコ、パチスロ合わせて計41万台もある。

「遊技機の適正処理」とは、業界7団体で構成する遊技機リサイクル推進協議会が定めたガイドラインの基準に即した処理のことだ。日工組広域回収システムの指定業者4社と遊技機リサイクル協会の加盟13社、そしてガイドラインに即して処理していると認定された処理業者17社を合わせた計34社によって処理されて、初めて「適正処理」が担保される。供給側の関係者には組合ルールも含めてその周知が徹底されている一方、本来であれば排出事業者としての責任を持つホールの関係者では、総じて認識が薄いテーマになっている。

ガイドラインに認定された選定業者のうち、日工組指定4社とコロナ前の処理実績はおよそ100万台(2019年実績)、遊リ協指定13社は約14万台(同)と報告されている。今後、3カ月の間で年間処理能力分に相当する旧規則機が一気に排出されるのだから、ユーコーリプロの金海常務が抱く冒頭の懸念もわかるだろう。

「ユーコーリプロの福岡、埼玉、愛知の3工場を合わせた月間処理能力は、マックス稼働で10万台弱です。もし来年1月末に大量に持ち込まれたら当社だけでなく運送会社も含めて、すべての排出台を受け入れられない可能性が高まります。運送会社は新台も運びますから、そちらにも車両と保管場所が割かれるなど、流通的にも無理が生じます。弊社はあくまで廃棄台の受け入れ側なので、こちらから何かをお願いできる立場ではありませんが、残り3カ月の間に少しでも早く、少しでも多くの使用済み遊技機を排出していただけないものでしょうか」と金海常務は言う。

 

 不法投棄や野積みが起こりうる状況に行政も懸念

こうした状況下で、業界団体がもっとも懸念するのは、受け入れ先のない排出台が大量に出た場合、2000年前後に複数エリアで社会問題化した不法投棄や野積みが再発することだ。その懸念は行政も抱いており、11月9日開催の余暇進秋季セミナーに寄せられた行政講話の文書でもそれが示されている。

「倉庫に保管したままの旧規則機については、早い段階から計画的に廃棄を進めるとともに、今後排出予定の遊技機の台数や保管スペース等を適切に把握しながら、遊技機のリサイクルシステムが機能不全に陥らないようにしていくことが大事であり、過去のように、遊技機の野積みといった形で問題を繰り返さないことが求められます。九州においては、関係団体と調整した上で、計画的な廃棄処理に向け動いているところもあり、また、メーカー団体等も、適切な廃棄に向け回収を呼び掛けるなどしていると承知しています。引き続き、計画的な旧規則機の撤去で入替を分散していただくことはもちろん旧規則機の適正かつ計画的な廃棄処理についても遺漏のないようお願いします」(警察庁生活安全局保安課 池田雄一課長補佐の講話)。

講話で触れられている「九州の事例」とは、昨年11月に九州エリアの業界5団体でスタートさせた独自の不要台回収フローのことだ。新台納品時に運送業者のトラックに空きスペースがあれば、納品先のホールだけでなく周辺ホールの排出台もまとめて回収するというもので、日工組広域回収システムをベースにより効率化を図っている。九州回収システムでは、「旧規則機をなかなか外せないのであれば、来年1月末に排出する時点で処理業者に負担がかからないよう、自社の倉庫に空きスペースを事前に設けておく」というホール側の積極的な協力も含まれている。

 

 旧規則機撤去後の排出ピークの山を抑えるための備え

不法投棄や野積みのリスクを回避するには、行政講話に示されている“計画的な廃棄”、つまりはホール側が当事者意識を持って「早期排出」と「分散排出」を行うしかない。それをスムーズに進めるべく、メーカー各社はこれまでに旧規則機の買取に積極的に取り組んできた。また、足下で起こっている部材不足の影響から買取強化に一段と力を注ぐ動きも目立っている。一連の買取情報はユーコーリプロのホームページで確認できる。いちど覗いてみてはどうだろうか。

倉庫の空きスペースの整理とその関連コストのカット、さらには不法投棄を出さない適正な排出計画のためにも、まずはユーコーリプロのホームページでメーカーの買取情報を確認しつつ、撤去期限後に訪れるピークの山をできるだけ抑える備えをしておきたい。

 

■ユーコーリプロのホームページ  http://www.yuko-repro.co.jp/

 

【緊急レポート①】旧規則機の排出は計画的に! ユーコーリプロのHPで「メーカー買取」の確認を

 

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